まず、お酒に酔うというのはどういう状況かを知りましょう。

お酒を飲むと約20%が胃で吸収され、80%が小腸で吸収されて、血液に溶け込みます。
肝臓に運ばれて、アルコールを分解します。

瞬時に分解はされず、分解されなかったアルコールは心臓に向かい、脳へ到達します。
この時、脳が麻痺します。
これを「酔い」と言います。

これには個人差がありますが、30分〜２時間ほどで脳に到達します。
これが、酔いまでのタイムラグです。

順次血中のアルコールは肝臓で分解が進みます。
肝臓では、アルコールをアセトアルデヒドに分解します。
このアセトアルデヒドには毒性があり、この毒性によって顔が赤くなったり、頭痛や吐き気を引き起こします。


このままでは、害が残り続けるため、ALDH2という酵素でアセトアルデヒドを毒性のない酢酸に分解して、体内で水と二酸化炭素に最終分解して排出します。

アルコールを分解する際に、大量の水と糖質を消費します。
この２つが欠けていると、分解の妨げになったり、ひどい場合は脱水症状や低血糖を引き起こします。

二日酔いの主な原因は、アセトアルデヒドがすべて分解されていない（翌日も残っている状態）事が主な原因とされています。

アセトアルデヒドをALDH2という酵素で無毒の酢酸に分解するのですが、このALDH2という酵素が少ない、持たない人が日本人は多く、全体の44%がALDH2が遺伝的に欠損していると言われています。

飲みたいけど飲めない。
飲めないのに行く意味がない。
そういう方は、日本人特有の遺伝ですので、自分が飲めるからと言って、他人に強要するのははやめましょう。

ちなみに、ドイツ人はこの欠損率が0%だそうですので、水の様にビールを飲む理由は遺伝的なことだそうです。

さて、二日酔いの原因は、アセトアルデヒドという毒性を持つ物質が、翌日も残り続けるのが原因だと言うことをお伝えしました。

辛い二日酔い、飲んでる最中の気分の悪さなどを緩和するには、アルコールの代謝速度をあげてかつアセトアルデヒドの分解を促進し、無害の酢酸にどれだけ早く分解させるかが鍵になります。

酔いにくい食べ物をご紹介します。
まず、大前提として個人差があります。
そもそも分解酵素を持たない方もいらっしゃいますので、あくまでもご参考程度でご覧ください。

「酔い」とは血中のアルコールが脳に到達して、脳が麻痺する状態と説明しました。
ようするに、この麻痺状態を緩和できれば「酔いにくい」と言えます。

元も子もないですが、一番良いのは、血中アルコール濃度を下げることです。
「水」を飲んで、血中のアルコール濃度を下げれば酔いにくいなります。
また、アルコール分解には大量の水を消費します。
まずは、水を飲むこと。

一昔前では、酒の場で「水」と言えば、白い目で見られてましたが、時代は変わりました。
お酒と水は最高の組み合わせですので、遠慮なく飲みましょう。

ただ、これでは食べ物ではありませんね。
アルコールの分解に水と糖分を大量に消費すると言いましたが、もう１つ不可欠な栄養素があります。
それは「ビタミンB1」です。

ビタミンB1はブドウ糖をエネルギーに変換するための栄養素です。
またビタミンB1は水溶性ですので、茹でたりすると多くが流出してしまいます。

調理方法としては、焼く、炒める、煮込む、蒸すがベストです。

ビタミンB1を多く含む食材は、未精製の穀物(イメージしやすいのは玄米)や豚肉です。
このビタミンB1の吸収を助けるのが「アリシン」と言われ、これが多く含まれるのがネギ類です。

SYOKUTSUが選ぶ酔いにくい食べ物は、「豚キムチ」です。
キムチにはにんにくが含まれており、にんにくには「アリシン」が含まれています。
またすりおろす事で、細胞が壊れ多く溶け込みます。

一番最高なのは「ニラ入り豚キムチ」
ニラとにんにくの「アリシン」
豚肉の「ビタミンB１」
調理方法は炒める。
最高の組み合わせです。

次にアルコールの消化を助ける食べ物をご紹介します。

先述の通り「ビタミンB1」はアルコールを代謝するのに不可欠な栄養素と紹介しました。
他にも必要な栄養素があります。
それは「タウリン」と「タンパク質」です。

タウリンは肝臓の代謝を高める効果があるとされ、タンパク質は、新陳代謝を高める効果があるとされています。

この２つで、代謝をあげて、肝臓機能をあげてアルコールの消化を促進します。

タウリンが多く含まれる食材
貝類、たこ、いかに多く含まれているとされています。

タンパク質は肉、魚などに多く、乳製品も多く含まれています。


SYOKUTSUが選ぶアルコールの消化を助ける食べ物は「貝類を含む刺し身の盛り合わせ」です。
またしじみや牡蠣はタウリンが多い貝類で有名です。
別々で注文するときは、「生牡蠣からのすじコン、チーズの盛り合わせで語らう」こんな流れが理想ですかね？
この３つ揃う居酒屋の方が珍しいですけど・・・。

貝、たこ、いか、乳製品、牛肉
この５つのどれかが含まれるメニューがあれば迷わず選びましょう！！

さて、ここまでしても二日酔いになったときの食べ物を紹介します。

二日酔いは、私も何度もなったことがありますし、その度にお酒を飲まないぞ。って決めるのに次の日にはもう飲んでいる。という事がしばしば・・・

そんな辛い二日酔いですが、先述の通り、アセトアルデヒドが残ることで引き起こされる症状です。
このアセトアルデヒドを素早く酢酸に分解してもらうことが重要です。

アセトアルデヒドの分解には、水と糖分、肝機能を高めるタウリン、タンパク質、ビタミンB1が必要です。
とは言え、二日酔いでできるだけあっさりしたものが食べたいですよね。

SYOKUTSUが選ぶ二日酔いを緩和する食べ物は「そば」です。
ビタミンB1は未精製の穀物に多く含まれ、そばは白米のおよそ２倍のビタミンB1を含み、タンパク質も多く、糖質に生成される炭水化物も含まれています。

糖分◯
ビタミンB1◯
タンパク質◯
と言える食べ物です。
また薬味などでネギが乗っている事が多いため、ビタミンB1の吸収を助ける「アリシン」も摂取できます。

また、体調が少し緩和されたタイミングの状態での食事であれば「天ぷらそば」なども良いと思います。
ただ、天ぷらの内容にもよりますが、魚介系の天ぷらであれば最高です。