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今回の取材先
うづかの森
所在地:兵庫県美方郡香美町村岡区森脇230
ホームページ:https://www.uzukanomori.jp/
「自然との共生」を目指した環境共存型の宿泊・教育施設です。 山陰海岸ジオパークに位置し、氷ノ山後山那岐山国定公園に隣接する、自然豊かな「うづかの森」。 ここは、使わなくなった中学校校舎を利用し、スポーツ・文化・勉強などの合宿が行える新しい施設として生まれ変わりました。 地域に暮らす人々の心のよりどころとして、都会からスポーツ合宿などに訪れる学生諸氏の第二のふるさととして、 にぎやかな声がいつまでも響き渡らんことを。

2年前に筆者が、毎年お世話になるハチ北高原スキー場の宿泊施設SASAYA様で、たまたま紹介いただいたパン屋さんのパンの味が忘れれず、取材を依頼したところ快く引き受けていただけたので、取材に行ってまいりました!!
うづかの森様との出会い
毎年、スノーボードに兵庫県の北部にあるハチ北高原に泊まりで、昔から仲の良い仲間と行っています。
※以下、リンク付けてます。
兵庫県へ泊まりでウインタースポーツされる際は、おすすめの宿です。
【SASAYA】
ご家族で運営されている、アットホームな民宿で、お風呂は天然温泉、晩ご飯の豚味噌鍋が絶品です!
また、旦那さんがお酒好きで地元の日本酒や全国の日本酒をご用意されており、オススメで出していただけます。
また朝ご飯もおかづが8種類ぐらい用意されて、豪華な朝ご飯で、これまた白ご飯が美味しいんですよ。
私は毎年5杯はおかわりしてます!
うづかの森様との出会いを詳しく説明すると特集記事1つ分ぐらいのストーリーがあるので割愛しますが、簡単に説明すると記録的降雪の日にSASAYAさんに訪れました。
その日は、地域一帯が停電になってしまい、調理ができなということで、出していただいたのが今回取材させていただいた「うづかの森」のカフェで出されているパンでした。
実は私はあまりパンが得意ではないんです。
でも、この時いただいたパンが、どうしても記憶から離れなかったんです。
そして、今回取材させていただいて、なぜ記憶から離れなかったのか納得できました!
パン屋さんなのにショーケース!?

冒頭でお見せしたお店のショーケースにみなさん違和感はありませんか?
パン屋さんと言えば、トレーとトングで自分で選びレジに持っていくスタイルを想像されませんか?
こちらのお店は、あえてケーキ屋さんの様なショーケースに陳列するスタイルを選んだそうです。
理由は3つ
1、カフェを併設していて、人の出入りがあることでホコリなどからパンを守ること
2、パンの鮮度を守るため
3、お客様とコミュニケーションを取るため
なるほど!という感じですよね。
話は少し脱線しますが、3の理由に付随して面白いデータがありますので、ご紹介します。
世界最大のスーパーマーケットチェーンの「ウォルマート」がコロナ禍を期に、レジをセルフ化しました。
一次的には、お客様の理解もあり浸透しつつありましたが、ある時を境に売上が低下しました。
万引きなどの多発かと思いきや、セルフレジが嫌というお客様が離れて、現在ウォルマートはセルフレジを順次廃止し、有人化に切り替えて行っているそうです。
やっぱりなんだかんだ言っても人と人の関わりが、商売では大事だと言うことが数字的に証明されたという面白いデータでした。
さて、話は戻りまして、ショーケースの真横にカフェが併設されています。
パンを選びそのまま、のどかな山々を見ながら美味しいパンと淹れたてのコーヒーを楽しめる空間が広がっています。
よく見ると、中学校をリノベーションした面影が残りどこか懐かしい気分も味わえ、都会であっても体験できない貴重な空間です。
内装も落ち着いた色味で、時間を忘れれるカフェでした。
パンが得意ではない私が忘れなかった味

※撮影ミスにより少々ピンボケしていますが、ご容赦ください。
こちらのカフェにおすすめ商品をお伺いしました。
一番の売れ筋は「生食パン」だそうで、たっぷりの生クリームが練り込まれており、焼かない方が美味しいんだそうです。
私たちも一斤購入して、自宅でそのままと焼いたパターンと食べ比べましたが、焼かないままでも美味しい。
個人的感想ですが、焼かないほうが美味しいかったです。
ちなみに、2日で食べきっちゃいました!
味がクドくなく、文字通りいくらでも食べれる食パン。という感じで、こちらのお店の常連の方も、子どもはここの食パンしか食べない。というらしく、実際食べてみて、そのお子さんの気持ち「わかるぅ~」と思いながら、あら不思議、知らぬ間に4切れぐらい食べてるんですよね。
食パンに限らず、こちらで出されているパンの素材は一つ一つこだわりがあるそうです。
まずは、パンの要である小麦粉
一番の理想は、国産無農薬小麦粉だったそうです。
しかし、国産を選ぶと原価が3倍〜4倍になるそうです。
売価に置き換えると非現実的な価格設定になるため、なくなく米国産を選ばれたそうですが、それでも無農薬はもちろん、収穫後に散布する農薬も使用していないポストハーベストフリー(PHF)のもので、試作品で味に納得したものだけを選んでいるそうです。
米国産と言えど、ここまでこだわると原価は通常に使用されている小麦粉の2倍以上はするそうです。
次に、砂糖です。
砂糖にもこだわりがあり、種子島の洗双糖を使用されているそうで、洗双糖は上白糖や三温糖などと異なり、さとうきびから抽出した糖汁を濃縮した上で、遠心分離して結晶化させた100%自然由来の砂糖です。
他の原材料一つ一つにもこだわりを持って選ばれており、説明されている姿、言葉に自信を感じ、本当にこだわりを持ってパン作りをされていることを肌で感じました。
そして、私はその時に「あーだから私はこのパンの味を忘れなかったのか」と感じました。
正直、インスタ映えするような派手な見た目でも、ファストフードやチェーン店の様なパンチのある味でもありません。
しかし、派手さはないものの、確かに感じる旨味や深みがパンなのに感じる。
たかがパンだとあなどるなかれ、本当にこだわりを持ったパンはここまで美味しくなるものなのか!?とパンに対する私の印象とパンの深さを感じた瞬間でした。
売りたいものと売れるものは違うよね

どんな業態でも同じ悩みはあるでしょう。
私たちも昔は飲食店やサービス業に従事してきて、私は一次焼き鳥屋の副店長をしていたこともありました。
店側が売りたいものとお客様が欲しているものにギャップはやっぱりありますよね。
と笑いながら話していましたが、店主の自信作は一番売れている「生食パン」ではなく「メランジェ」というパンで、クリスマスで有名なシュトーレンの様な見た目です。
こちらのパンは、生地の深みを出すために使用するライ麦がポイントで、その生地にたっぷりのドライフルーツと有機栽培のくるみをふんだんに練り込み、ワインのお供に薄くスライスしても食べ応えのあるパンに仕上がっています。
ワインがお好きな店主は、自分が好きなワインに合うパンを追求した結果出来上がったこだわりの1品だそうで、こちらも購入して食べてみましたが、クリームチーズをつけて赤ワインといだきましたが、一言。
「そりゃ美味いわ」
ワイン好きによる、ワインのための、ワインのお供。
がコレ!って感じのパンで、何度も言って恐縮ですが、パンが得意ではない私が、ここまでパンに惹かれていくのか?という不思議な感覚があります。
パン好き、ワイン好きならば是非とも食べていただきたい。
そして、この気持ちに共感してほしい!!と思う一品でした!
今、目指しているうづかの森から始まる地域経済

今後の展望やビジョンをお伺いしました。
元々、うづかの森は廃校をリノベーションした合宿所でした。
しかし、コロナ禍で合宿の予約が軒並みキャンセルになり、従業員の雇用継続がこのままでは厳しい。という時に店主が、従業員のために何か事業をしなければ。ということで始めたのが、現在のパン屋さんでした。
無人餃子など様々な事業案があったそうですが、店主のご実家がパン屋さんだったということもあり、パンなら作れる。ということでパン屋さんに決まったそうです。
主業務は合宿所(宿泊施設の運営)で、店主もたかがカフェという、つなぎの事業程度ではじめは考えていたそうです。
そんな時、ある本に出会いカフェが地域経済の活性化に寄与する。
と説いた本に出会い、カフェに対しての考え方や事業に対しての熱意が変わっていったそうです。
今回訪れた香美町は、忌憚なき表現をすると過疎化が進む、どこにでもある田舎の山間部の村です。
冬はスキー場という観光資源があるものの、昨今の物価高などの煽りを受け、年々と来場者も減っているそうです。
そんな環境で新たな事業、ましてや人が来てなんぼの飲食事業を開始することに不安などもあったそうです。
しかし、カフェという人が集まる場所を提供すること、そしてそれが生産者や周囲の産業へいい影響を与え、循環していくことを目指そうと考え、現在では地域の生産者と連携を取り、地産地消への取り組みを進めているそうです。
その一環で生まれたのが、地域で取れた市場に流せないお米(ワケアリ品)を使った米粉クッキーです。
カフェで出す食材などもすべて地産地消に今後は行っていきたい。
そう語る中でもなかなかそうは行かない事情もあるようです。
一番の問題は、安定供給です。
田畑が広がる風景が印象的な街ではありますが、この地域の多くの農家さんは兼業農家だそうです。
なかなかまとまった収穫が維持でない。というのが現実だそうです。
これが過去から日本が抱える食料自給率問題の根っこの部分ではないか?と感じさせられました。
そんな問題も今後解決できればと熱く語っておられ、「食」に特化した私たちにおいても他人事でもなく、同じ熱量で応援、支援していきたい。と感じ、今回の取材を終えました。
編集者後記
2年間、どうやってコンタクトを取ろうと思っていた中で、待望の取材でした。
取材を終え、日本国内で慢性的に続く「食」に対しての課題や地域経済の問題、様々な深く根を張る問題に対して、1組織が本気で考え行動に移されていることに、尊敬の念を感じざるを終えませんでした。
また、SNSが普及する時代の中で、見栄えやインパクトだけを売りにするものが多く流通する時代に、飾らず、気取らず、でも信念と確信をしっかり持ってお客様に商品を提供する。
そして、その裏側で地域経済ひいては、地域コミュニティのハブとなっていこうとする店主の思い、志を感じ、今後も我々SYOKUTSUは、うづかの森様はじめ、同じ様に志を持った、飲食店や生産者を応援していこうと改めて心に決める取材でございました。
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