先日、国産牛と言える条件についての深堀りをしました。
一般的な和牛は30ヶ月前後飼育されてから出荷されます。
約2年半育てて出荷という流れです。
前回の深堀りでは、この期間の半分以上を国内で飼育すれば国産と言えるとお伝えしました。
すなわち、アメリカで生まれアメリカで1年半、日本にやってきて、1年半ちょっと飼育すれば国産和牛になるわけです。
えっ?それって・・・
と思われた方もいらっしゃると思います。
ただ、収益等の観点から見て、この飼育方法は正直かなり非効率です。
国内に流通する牛肉のうち、アメリカで生まれた牛肉がどれぐらい占めるのかという統計はありませんでしたが、よく考えてみてください。
牛肉に限らず、すべての食材には可食部率(別名:歩留まり)というものが存在します。
人参なら、皮とヘタなどは食べませんので、その部分は廃棄します。
残った部分が可食部で、これを総重量で割ることで可食部率が算出できます。
これは牛肉にももちろん存在し、牛肉1頭あたりの可食部率は平均で33%です。
逆に67%は廃棄する部分となります。
例えば、骨などがこの67%にふくまれています。
仮に生きた状態でアメリカから牛を輸入するとします。
ある転送代行サービスの送料ですが、1ポンドあたり2ドルかかる様ですので、牛1頭を輸入するのに58万円かかります。
牛1頭690キロと仮定して、可食部率から227キロが精肉となります。
2024年3月の平均販売価格が3円/g前後なので、68万円で販売できるとなると差額10万円
ただ、この10万円には、国内の飼育時の費用、アメリカからの買付時の費用が入っていません。
ということは...
恐らくこの手法で輸入した牛肉は、売れば売るほど赤字ということになります。
なので、えっ?詐欺じゃん!など思われた方は、ご安心ください。
国内のスーパーで販売されている国産を謳う牛肉は、ほぼ日本生まれ日本育ちです。
ただ、そういうルールがあると言うことは覚えておきたいですね。
前置きが長くなりましたが、本題です。
なぜ牛肉が他の精肉に比べ高いのか?